栃木県宇都宮市の許認可専門 女性行政書士

行政書士あさみ法務事務所

栃木県宇都宮市の許認可専門 女性行政書士

行政書士あさみ法務事務所

2025.12.01

建設業許可の「営業所技術者(専任技術者)」の要件を満たせないときの対応策とは?

blog

「営業所の専任技術者の要件を満たせないと言われてしまった」「長年専任を務めていた社員が退職してしまい、次に誰を据えればよいのか分からない」──中小の建設業者さまからは、このようなご相談が少なくありません。

特に、家族経営や少人数体制の会社では、要件のある方が限られ、「常勤性」「専任性」といった建設業許可ならではのルールと、現実の働き方が噛み合わないことがよくあります。

また、許可取得時は問題がなかったものの、組織変更・役職変更・定年退職などをきっかけに、気づかないうちに営業所技術者の要件を満たさなくなっていた…というケースもあります。そのまま放置してしまうと、更新や業種追加のタイミングで大きなリスクにつながる可能性があります。

ここでは、中小建設業者の現場感覚を踏まえながら、「営業所技術者の要件不足」が発生しがちな場面と、ケース別の現実的な対応策、社内での管理ポイントを整理していきます。


営業所技術者の基本と「要件不足」が起こりやすい場面

1. よくあるお悩みパターン

まず、現場で実際にどのような「営業所技術者のお悩み」が起こりやすいのかを整理しておきます。中小規模の建設業者さまから多く寄せられるのは、次のようなパターンです。

  • 長年営業所技術者だった部長が退職し、後任にできる人材が見当たらない。
  • 系列会社・グループ会社を掛け持ちしているため、「常勤」と言えるのか不安がある。
  • 現場を統括している職人さんを専任に据えたいが、営業所に常駐しているとは言い難い。
  • 許可取得後に組織再編を行い、登記や届出と実態が合っているか自信がない。

いずれも、「建設業法上のルール」と「会社の実態」がずれてしまった結果、営業所技術者の要件不足が表面化しているケースです。まずは、自社がどのパターンに近いのかを整理するところから始めると、対応策を検討しやすくなります。

POINT|「その人がいないと許可が維持できない」状況に要注意

特定の一人に人的要件を依存しすぎていると、退職・病気・異動などのタイミングで一気にリスクが高まります。日頃から「次の候補になり得る人材」を意識的に育てておくことが、営業所技術者テーマの最大のリスク分散策です。

2. 建設業許可における営業所技術者の役割

建設業許可では、営業所ごとに「営業所技術者」を置くことが求められます。営業所技術者は、単に資格を持っていれば良いというものではなく、次のような役割や要件を担う重要なポジションです。

  • 自社が請け負う工事の内容や技術的事項を理解し、内部的に統括できる立場であること。
  • 営業所に常勤し、日常的に工事・見積・契約などの業務に目を配れること。
  • 一定の国家資格または所定年数の実務経験を備え、技術的な信用力を裏付ける存在であること。

許可申請書では、担当する業種や資格・実務経験の根拠資料を提出し、行政庁から「この営業所には、技術的な責任を負える人がきちんと配置されている」と評価してもらう必要があります。

3. 要件を満たせないときに生じるリスク

営業所技術者の要件を満たせないまま放置してしまうと、さまざまな局面でリスクが顕在化してきます。代表的なものは、次のようなものです。

  • 更新や業種追加の審査で、要件不足を指摘され、許可の維持・拡大が困難になる。
  • 変更届の未提出や虚偽・不備があると判断され、行政庁からの指導・監督を受ける可能性がある。
  • 入札参加資格審査の段階で、技術者要件を満たしていないとして評価が下がる、あるいは参加自体ができなくなる。

特に公共工事を視野に入れている会社では、営業所技術者の状態は経営事項審査や入札資格にも波及し、受注機会そのものに影響することがあります。逆に言えば、早めに要件不足に気付き、計画的に手当てをしておくことで、将来の選択肢を広げることもできます。


営業所技術者の「要件不足」の主なケース

1. 資格が足りない・実務経験年数が不足しているケース

営業所技術者の人的要件は、概ね「一定の国家資格」または「一定年数の実務経験」のいずれかで満たす形になっています。ところが、細かな年数や対象工事の範囲を誤解しており、要件を満たしていなかったことが後で判明することがあります。

例えば、次のようなケースです。

  • 過去の在籍会社での工事実績が、営業所技術者として必要な業種の経験年数に十分に入っていなかった。
  • 管理技術者としての経験と、一般的な現場従事経験を混同してカウントしていた。
  • 資格を取得した時期と、実務経験期間の関係を正しく整理できていなかった。

CAUTION|「ざっくり年数」ではなく証拠書類ベースで確認する

実務経験年数は、単に「このぐらい働いてきた」という自己申告ではなく、雇用契約・社会保険・工事経歴などの客観資料で裏付けることが必要です。申請直前ではなく、早い段階から資料を揃え、要件を満たせるかどうかを確認しておきましょう。

2. 退職・異動により営業所技術者が不在になったケース

もう一つ多いのが、「今まで問題なく回っていたが、キーマンの退職や異動で一気に営業所技術者が不在になってしまった」というケースです。特に、創業期から支えてきたベテランや役員クラスの退職に伴って起こりやすいです。

退職日や人事異動のタイミングで、営業所の実態と届出上の営業所技術者がずれてしまうと、変更届の遅れや虚偽記載とみなされるおそれもあります。「後任が決まり次第まとめて手続きしよう」と先延ばしにせず、営業所技術者の変更予定がある時点で早めにシミュレーションをしておくことが大切です。

3. 他社兼務・グループ会社勤務など常勤性の問題

営業所技術者には「常勤性」も求められます。単に週何日か顔を出しているだけでは足りず、実態としてその営業所に勤務し、必要なときに指揮監督ができる状態であることが重視されます。

  • グループ会社の役員を兼務しており、実態としてどちらに常勤しているか不明確。
  • 建設業以外の事業会社と兼務し、日中の大半を別の勤務地で過ごしている。
  • 現場常駐が多く、営業所にはほとんどいない状態になっている。

こうした状況が長く続くと、「専任」と言えるのかどうか、行政庁から疑義が出ることもあります。特に、他社で社会保険に加入しているなど、書類上も兼務の実態が明らかな場合には注意が必要です。


ケース別の対応策と検討のポイント

1. 資格取得・実務経験の積み上げによる対応

資格や実務経験がわずかに不足している場合は、「誰を将来の営業所技術者に育てていくか」を明確にし、計画的に資格取得や経験の積み上げを行うことが基本方針になります。

  • 現在、技術職として現場に出ている若手・中堅社員の中から候補者を決める。
  • 担当させる工事の種類を、目標とする業種の実務経験としてカウントしやすい内容に揃える。
  • 将来的な資格受験(施工管理技術検定など)に向けて、必要な学習・受験時期を逆算する。

メリット|早期に育成方針を固めることで得られる効果

  • 許可の維持・業種拡大に向けた「人的基盤」が強くなる。
  • 社員本人のキャリアパスが明確になり、定着やモチベーション向上にもつながる。
  • 公共工事や元請比率の拡大など、中長期的な経営戦略を描きやすくなる。

2. 社内人事・配置転換・外部採用でカバーする方法

既に許可を持っており、近々の更新・入札などが控えている場合は、「育成を待つ」だけでは間に合わないこともあります。その場合は、次のような選択肢を組み合わせて検討します。

  • 本社・別営業所・グループ会社の中から、要件を満たせる人材を見つけて配置転換する。
  • 嘱託・再雇用などの形で、退職予定者に一定期間残ってもらえないか打診する。
  • 中途採用で、必要な資格や経験を持つ人材を外部から迎え入れる。

いずれの場合も、「営業所技術者として本当に常勤配置と言えるか」「実態に合った就業形態・役職になっているか」を慎重に確認することが重要です。社労士・税理士などの既存の顧問と相談しながら雇用条件を整えると、後々のトラブル防止につながります。

CAUTION|「名義だけ借りる」ような対応は避ける

実態としては勤務していないにもかかわらず、書類の上だけ営業所技術者として名前を借りるような対応は、建設業法違反として大きなリスクを伴います。短期的なつじつま合わせではなく、「実態と整合する採用・配置」を前提に検討することが大前提です。

3. 業種・営業所の見直しや許可区分の整理という選択肢

場合によっては、「あえて業種や営業所を絞り込む」「一部の許可区分を整理する」という選択肢も現実解になります。具体的には、次のような検討です。

  • 実際には受注していない業種の許可を返上し、営業所技術者の要件を満たしやすくする。
  • 営業実態が薄い支店・営業所については、建設業の「営業所」としては扱わない整理を検討する。
  • 特定建設業ではなく一般建設業として運用する方が、人的要件・管理体制に合致するケースもある。

もちろん、事業戦略や取引先との関係もありますので、闇雲に許可を減らすべきという話ではありません。ただし、「守るべき中核業種はどこか」「現実的に維持できる営業所はどこか」を整理した上で、営業所技術者の体制を無理なく構築していくことが、長期的な安定につながります。


行政庁との相談・補正対応で注意すべきこと

1. 事前相談で確認しておくべきポイント

営業所技術者に関する判断は、手引きや要綱だけでは読み取りにくい部分も多く、各都道府県・政令市などの運用にも違いが見られます。不安がある場合は、申請窓口への事前相談を活用することが重要です。

  • 想定している営業所技術者候補の経歴・資格で、申請上問題がないか。
  • 実務経験を証明する書類として、どのような資料を求められるか。
  • 他社勤務やグループ会社との兼務がある場合、常勤性の判断がどうなるか。

POINT|「候補者のプロフィール」を整理してから相談に行く

事前相談では、「候補者の氏名・年齢・資格・経歴(勤務先・担当工事)」「想定している業種」「常勤の実態」などを簡潔にまとめておくと、窓口側も判断しやすくなります。口頭だけでなく、メモや資料を用意しておくと安心です。

2. 補正指示が出たときの対応フロー

申請後に、営業所技術者に関する補正指示が出ることもあります。慌てず、次のような流れで対応内容を整理していきます。

STEP1

補正内容を正確に読み取り、担当者に確認する

通知書や電話での説明内容を整理し、「どの資料が不足しているのか」「どの点が要件を満たしていないと判断されているのか」を明確にします。疑問点はその場で確認しておきましょう。

STEP2

社内の経歴・資料を再確認し、代替案も含めて整理する

該当者の経歴や資格を再チェックし、追加で提出できる資料がないか検討します。同時に、別の候補者を立てることが可能かどうかも社内で話し合います。

STEP3

担当部署と再度相談し、現実的な回答方針を決める

加筆修正や資料追加で対応できるのか、候補者の変更が必要なのか、申請内容の見直しが必要なのかなど、担当者とすり合わせながら現実的な落としどころを決めます。

3. 無理な継続より「一旦の取り下げ」や「再申請」を検討する場面

どうしても営業所技術者の要件が満たせない場合、補正を重ねても解決できないことがあります。そのようなときは、無理に今の内容で通そうとするよりも、「一旦取り下げて体制を整えてから再申請する」という判断が適切な場合もあります。

取り下げ・再申請には時間と手間がかかりますが、結果として行政庁との信頼関係を損なうリスクを抑え、クリアな状態で許可を取得し直すことができます。どのタイミングでどの選択肢を取るべきかは、個別事情によって異なるため、専門家に相談しながら慎重に決めていくことをおすすめします。


営業所技術者に関する社内管理チェックリスト

1. 人的要件管理のチェックリスト

営業所技術者は、一度選任して終わりではなく、会社の変化に合わせて継続的に管理していく必要があります。次のようなチェック項目を、年に1回程度は見直すと安心です。

  • 営業所技術者の氏名・役職・勤務地は、最新の実態と一致しているか。
  • 資格証・免状の写しや、実務経験を裏付ける資料を社内で保管できているか。
  • 人事異動・退職があった際の「営業所技術者への影響チェック」のルールが決まっているか。
  • 営業所の新設・統廃合の際に、営業所技術者の配置計画をあわせて検討しているか。
  • 将来の後継候補となる人材が、少なくとも1〜2名は社内に見えているか。
項目 内容 ポイント
営業所技術者の基本情報 氏名・役職・勤務地・担当業種を一覧で管理しているか。 人事異動や組織変更の際に見落としがないよう、最新化のタイミングを決めておく。
資格・実務経験の証拠書類 免状の写し、在籍証明、工事経歴の控えなどをファイリングしているか。 更新や業種追加の際に、すぐに提示できる状態を保つことが重要。
人事・組織変更時のチェックフロー 退職・異動・役職変更の際に、営業所技術者への影響を確認する仕組みがあるか。 「退職届が出た時点で建設業許可担当に連絡」など、社内ルールとして明文化しておく。
後継候補者の育成状況 将来の営業所技術者候補が、どの資格や経験をどこまで満たしているか把握しているか。 候補者ごとに「あと何年の経験」「どの資格取得」が必要かを一覧化すると計画が立てやすい。

2. 将来的な人材育成・資格取得計画の立て方

営業所技術者のテーマは、人材育成・採用戦略とも密接に関わります。短期的な「穴埋め」と併せて、中長期的な計画も描いておくことが重要です。

  • 現在の営業所技術者の年齢構成や、今後の定年・退職予定をざっくり把握する。
  • 3〜5年後にどの業種でどの程度の売上を見込むかを踏まえ、必要な技術者像を逆算する。
  • 資格取得支援や受験料補助、研修機会の提供などを制度として整える。

POINT|「営業所技術者の確保」を経営計画の一部として位置付ける

営業所技術者は、単なる申請上の要件ではなく、「どの工事を、どの品質で、どの体制で請け負っていくか」という経営戦略そのものに直結します。経営計画や人事戦略を立てる際には、「今後10年の営業所技術者体制」をセットで考えておくことが大切です。


よくある質問(FAQ)

Q

営業所技術者が退職してから、どのくらいの期間で後任を選任すべきですか?

A

実務上は、空白期間が生じないよう、退職・異動の時点で後任候補を決めておくことが望ましいです。変更届の期限や取扱いは所管庁によって異なりますが、少なくとも「退職から長期間、営業所技術者が不在の状態が続く」ことは避けなければなりません。具体的な期限感は、担当窓口や専門家に確認しながら進めると安心です。

Q

営業所技術者が別会社の役員を兼務していても問題ありませんか?

A

兼務自体が直ちに不可というわけではありませんが、「どちらの会社に常勤していると評価されるか」が重要になります。勤務実態や就業時間、社会保険の加入状況などを総合的に見られるため、形式だけでは判断できません。兼務がある場合は、事前に所管庁や専門家に相談し、問題がないか確認しておくことをおすすめします。

Q

実務経験年数が足りない場合でも、将来的に営業所技術者になることはできますか?

A

必要な年数に達していない場合でも、今後の実務経験の積み上げや資格取得によって、将来的に営業所技術者となることは十分可能です。その場合、「どの業種の経験としてカウントされる工事に、どのような立場で従事するか」を意識しながら現場経験を積んでいくことが大切です。

Q

営業所技術者が不在の期間に受注した工事は、どう扱われますか?

A

営業所技術者が不在の状態が続いていたことが判明した場合、その期間の工事受注について、行政庁から説明や報告を求められる可能性があります。対応はケースによって異なりますが、発覚後も放置するのではなく、まずは実態を整理し、今後の改善策と併せて早めに相談することが重要です。

Q

どのタイミングで専門家に相談すべきか目安はありますか?

A

「退職・異動・組織変更が決まったとき」「更新や業種追加を検討し始めたとき」「営業所技術者候補の経歴に不安があると感じたとき」は、まさに相談のタイミングです。要件を満たしているかどうかの確認だけでなく、今後の体制づくりについても、一緒に計画を立てていくことができます。


行政書士あさみ法務事務所にご相談いただくメリットとサポート内容

営業所技術者の要件は、「資格の有無」だけでなく、実務経験の内容や常勤性、営業所の実態など、複数の要素が重なり合っています。そのため、社内だけで判断していると、「本当にこの体制で大丈夫なのか」「どこまでが許容されるラインなのか」が分かりにくく、不安が残りがちです。

行政書士あさみ法務事務所では、建設業許可や産廃許可など、許認可業務を専門的に扱っており、営業所技術者に関するご相談も多数お受けしています。建設業の現場をよく知る行政書士が、実務の感覚も踏まえながら、次のようなサポートを行います。

  • 現在の営業所技術者体制(資格・経歴・常勤性など)の整理と課題の洗い出し。
  • 候補者ごとの要件充足状況の確認と、今後の育成・配置転換の方向性のご提案。
  • 新規許可・更新・業種追加・変更届など、営業所技術者に関わる各種手続きの代行。
  • 行政庁との事前相談や補正対応における、資料整理・説明内容のアドバイス。

まずは、現在の体制でどこにリスクがあり、どのような選択肢があり得るのかを一緒に整理してみませんか。営業所技術者の問題は、早く着手するほど選べるカードが増えます。小さな疑問や違和感の段階で、遠慮なくご相談ください。

建設業許可に関する詳しいサポート内容は、以下のページでもご紹介しています。

建設業許可サポートの詳細はこちら

ご相談・お問い合わせは、専用フォームからお気軽にお寄せください。

無料相談・お問い合わせフォームはこちら

無料相談のご案内

営業所技術者の要件整理から建設業許可全体の見直しまで、一括してご相談いただけます

行政書士あさみ法務事務所(代表:中川麻美)は、営業所技術者の要件確認から
建設業許可の新規・更新・業種追加・変更届まで一気通貫で支援します。
各自治体の運用や手引きの違いも踏まえ、御社の状況に合わせた最適な進め方をご提案します。

※必要書類や運用は所管庁によって異なります。最新の手引・告示を確認しつつ、当事務所でも適切な進め方をご案内します。

  
CONTACT

お問合わせ

まずは何をしたらいいかわからない、
申請や許認可について話を聞きたいなど
お気軽にご相談ください。
初回のご相談は無料です。

028-333-9187(固定電話) | 070-9143-0977(担当直通・携帯)

営業時間 9:00〜17:00(土日祝除く)