栃木県宇都宮市の許認可専門 女性行政書士

行政書士あさみ法務事務所

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2026.02.22

建設業の事業承継時に必要な許可・名義変更の実務ポイントとは?

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事業承継って、会社の「気持ちの整理」だけじゃなくて、現場の段取りが止まらないように“許可の整理”までやり切る必要があります。社長が交代する、株が移る、会社を分割する――このタイミングで建設業許可がからむと、想像以上に「名義はそのままで大丈夫?」という不安が出てきます。

特に多いのが、「代表者が変わったのに変更届を忘れていた」「専任技術者が承継前後で入れ替わる」「経営業務の管理責任者(経管)の体制が変わる」「許可番号を維持したいのに、実は新規申請が必要な形だった」というケースです。入札や元請の審査にも直結するので、後回しにすると現場が止まります。

ここでは、建設業の事業承継で実務上つまずきやすい「許可の扱い」「名義変更の考え方」「手続きの順番」を、現場目線で整理します。


事業承継で「許可の名義変更」が問題になる理由

1. 建設業許可は「会社の看板」ではなく「許可を受けた主体」に紐づきます

建設業許可は、誰の名義で許可を受けているか(法人なら法人、個人なら個人事業主)に紐づきます。承継で何が変わるかによって、必要な手続きが「変更届で足りる」のか「新規申請が必要」なのかが分かれます。

POINT|名義変更という言葉で片付けず「許可主体が変わるか」を最初に判定します

代表者交代や役員変更は「許可主体(法人)が同じ」なので変更届で対応する場面が多い一方、個人から法人への切替や、会社分割で事業が移る場合は「主体が変わる」ため新規申請が必要になることがあります。

2. 具体例:代表交代だけのつもりが「経管・専技の入替」も連動するケース

例えば、創業者が代表退任し、後継者が代表に就任するケース。役員変更は登記で完了しますが、建設業許可の実務では「経営業務の管理責任者」「専任技術者」の体制が変わることが多く、要件を満たさない状態が一瞬でも発生すると、更新・業種追加・経審などの次の手続きで詰まります。


承継パターン別:手続きが「変更届」で済む場合/新規が必要な場合

1. よくある承継パターンと許可の扱い

項目 内容 ポイント
代表者交代(法人は同じ) 法人格は維持し、代表取締役等が交代 変更届が中心。ただし経管・専技の体制が変わると要件確認が必須
株式譲渡(法人は同じ) オーナーが変わるが法人格は同一 許可自体は継続。ただし役員体制や常勤性の変更が出る場合は届出が必要
個人事業から法人へ(法人成り) 許可主体が個人から法人に変わる 原則として法人で新規申請が必要。許可番号は引き継げない前提で計画
会社分割・事業譲渡 工事契約や資産・人員が別会社へ移転 許可主体の変更が生じやすく、新規申請が必要になることが多い。契約名義にも注意

CAUTION|「許可番号を残したい」だけで承継手段を決めるのは危険です

事業承継の手段(株式譲渡・合併・会社分割・事業譲渡・法人成り)によって、許可の扱いは大きく変わります。税務・法務の設計と、許可の実務を同じテーブルで整理しないと、承継後に工事の名義や入札の登録で止まります。

2. 具体例:法人成りで「今の許可をそのまま使える」と誤解するケース

個人事業主として許可を持っている状態で、会社を作って請負契約を法人名義に切り替えた場合、個人の許可のまま工事を進めると、契約主体と許可主体がズレます。法人で工事を請け負うなら、法人として許可取得の計画を立て、切替タイミングを管理します。


実務ポイント:承継時に必ず確認したい「経管・専技・常勤性」

1. 体制が変わると、許可の維持・更新・業種追加に影響します

事業承継では、役員・従業員・拠点が動きます。その結果、建設業許可の要件に関わる「経営業務の管理責任者」「専任技術者」「常勤性」「営業所要件」などが連動して変わることがあります。書類上の変更だけでは済みません。

POINT|承継で一番怖いのは「要件を満たさない空白期間」を作ることです

例えば専任技術者が退職し、後任が決まるまでの間に工事を続けると、許可要件の維持に関するリスクが発生します。承継のスケジュールに合わせて、人の配置を先に固めます。

2. 具体例:後継者が代表に就任するが「経験証明が不足」しているケース

後継者が若手で、これまで現場は見ていたが、経管としての要件を裏付ける資料(役員就任期間、工事の管理経験、在籍を示す資料など)が不足しているケースがあります。この場合は、承継の前から証明資料の整理を始め、体制設計に時間を確保します。


承継時に必要になりやすい「変更届」項目と提出の考え方

1. 代表者・役員・商号・所在地の変更は、登記だけで終わりません

会社の承継で動きやすいのは、代表者、役員、商号、本店所在地、営業所、使用印などです。これらは登記や社内手続きで完了しても、建設業許可の変更届が別途必要になります。

項目 内容 ポイント
代表者・役員の変更 就任・退任、氏名の変更など 欠格要件の確認や添付書類が必要になることがあります
商号・名称の変更 社名変更、屋号変更など 請負契約や請求書、許可票の表示も連動して更新します
本店・営業所の変更 所在地移転、営業所の新設・廃止 営業所要件・常勤性・標識表示など、実態との整合が重要です
専任技術者・経管の変更 人の入替、配置替え、退職 要件確認と証明資料の整備を先に行います

CAUTION|変更が多いと「どれから出すべきか」で迷います

承継では複数の変更が同時に発生します。登記完了日を起点に提出期限が動くものもあるため、変更の一覧を作り、提出順と添付資料の重複を整理してから進めます。

2. 具体例:社名変更と所在地移転を同時に行い、許可票の表示がズレるケース

承継のタイミングで社名変更と移転を同時に行い、現場の許可票や名刺、契約書の表記が混在することがあります。発注者や元請の審査で確認されるため、変更届の提出とあわせて表示物・帳票も一括で整備します。


承継時のチェックリスト(はい/いいえ)+整理表

1. 承継の前に確認する「はい/いいえ」チェック

  • 承継の方法(株式譲渡/合併/会社分割/事業譲渡/法人成り)が確定している(はい/いいえ)
  • 建設業許可の許可主体が変わるかどうかを判定できている(はい/いいえ)
  • 代表者・役員・商号・所在地など、変更点を一覧化している(はい/いいえ)
  • 経営業務の管理責任者(経管)と専任技術者の体制が、承継後も要件を満たす(はい/いいえ)
  • 専任技術者が退職・異動する場合、後任が決まっている(はい/いいえ)
  • 許可の更新時期や決算変更届の提出状況に未処理がない(はい/いいえ)
  • 入札参加資格や経審を予定している場合、承継後の名義・体制で申請できる(はい/いいえ)
項目 内容 ポイント
承継スキーム 株式譲渡、合併、会社分割、事業譲渡、法人成り 許可主体が変わるかで「変更届/新規申請」が分かれます
変更点一覧 代表・役員・商号・所在地・営業所・使用印など 登記日を起点に期限管理が必要なものがあります
要件(人) 経管・専任技術者・常勤性の確認 空白期間が出ないように配置・証明資料を先行整備します
関連手続き 更新、業種追加、決算変更届、経審、入札参加資格 承継のタイミングと申請スケジュールを合わせます

POINT|「登記→変更届」だけで終わらせず、要件と関連申請まで一緒に並べます

承継は“変更の集合体”です。変更届そのものより、経管・専技の体制、更新・経審・入札の予定と整合しているかが実務の勝負どころになります。


相談されやすい質問(FAQ)

Q

代表者が変わるだけなら、許可はそのまま使えますか?

A

法人格が同じであれば許可自体は継続します。ただし、代表者変更に伴って提出が必要な変更届があり、あわせて経管・専任技術者の体制が要件を満たしているか確認が必要です。

Q

法人成りをすると、個人の許可番号を引き継げますか?

A

許可主体が個人から法人へ変わるため、原則として法人として新規申請が必要になります。法人名義で工事契約を行う場合は、切替スケジュールを先に設計します。

Q

専任技術者が承継のタイミングで退職します。工事は続けられますか?

A

体制の空白期間を作らない設計が必要です。後任の専任技術者の配置と要件確認、必要な変更届の準備を先行し、承継スケジュールと連動させます。

Q

入札や経審を予定しています。承継と同時に進められますか?

A

進められますが、名義・体制・決算変更届の状況が整っていることが前提です。承継後の主体で申請するのか、承継前に整えておくのかを決め、順番を固定して進めます。


相談のタイミングと進め方:承継は「前倒し」がいちばん強い

1. 進め方の目安:まず現状の棚卸しから始めます

STEP1

許可・届出・期限の棚卸し

許可業種、有効期限、決算変更届の提出状況、経管・専技の体制を一覧化します。

STEP2

承継スキームと許可の影響判定

許可主体が変わるかを判定し、変更届で足りるか、新規申請が必要かを整理します。

STEP3

提出順と必要書類の確定

登記日・承継日から逆算し、変更届・更新・業種追加・経審・入札の順番を固定します。

STEP4

申請・届出の作成と提出、行政庁対応

添付資料の整備、書類作成、提出、補正対応まで一気通貫で進めます。

メリット|承継前から相談すると、現場が止まらない設計ができます

  • 経管・専技の体制を先に固め、要件の空白期間を作らない
  • 変更届・新規申請・更新・経審・入札のスケジュールを一枚にできる
  • 契約名義や表示物(許可票等)の整合まで含めて整理できる

2. 具体例:承継後に相談して「入札の更新期限」に間に合わないケース

承継後に入札参加資格の更新が迫っていると、変更届や経審の準備が間に合わず、名簿登録が途切れることがあります。承継を決めた時点で、関連する期限(許可更新・決算変更届・経審・入札)を同時に確認するのが安全です。


まとめ:承継は「許可の維持」と「次の申請」を同時に守る

建設業の事業承継は、会社の名義や人の動きが同時に起きるため、建設業許可の実務も“連鎖”します。代表者交代だけに見えても、経管・専任技術者・営業所要件が動けば、更新や入札、経審まで影響します。

早めに現状を棚卸しして、承継の方法と許可の扱いを判定し、提出順を固定する――これが現場を止めないコツです。

建設業許可の新規・更新・業種追加・変更届の全体像は、こちらでもご案内しています。
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事業承継の段階が早くても大丈夫です。「この承継方法で許可はどうなる?」「経管・専技の体制が不安」など、まずは状況を共有してください。
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事業承継に伴う経管・専任技術者の要件整理から、建設業許可の変更届・更新までまとめて支援します

行政書士あさみ法務事務所(代表:中川麻美)は、専任技術者の要件確認から
建設業許可の新規・更新・業種追加・変更届まで一気通貫で支援します。
各自治体の運用や手引きの違いも踏まえ、御社の状況に合わせた最適な進め方をご提案します。

※必要書類や運用は所管庁によって異なります。最新の手引・告示を確認しつつ、当事務所でも適切な進め方をご案内します。

  
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