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業種追加をスムーズに進めたい!建設業許可の「要件確認」と「事前準備」
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既に建設業許可をお持ちの事業者が、新たな工事を受注するために行うのが「業種追加」です。追加可否は、専任技術者の確保や経営管理体制、財産的基礎などの要件を満たせるかで決まります。本記事では、申請をスムーズに通すための要件確認と事前準備を、チェックリスト・比較表・フローチャートで実務的に整理。一般/特定・一式/専門の選び方、提出先、よくある不備まで網羅し、明日から使える運用に落とし込みます。
- 新たな工種(電気・管・とび土工・舗装 等)を短期で追加したい
- 専任技術者の資格・実務経験・常勤性の整え方を確認したい
- 一般/特定・一式/専門の選択ミスを防ぎたい
- 経審・入札への波及影響を最小化したい
目次
業種追加の基本|用語と考え方
1. 業種追加とは
既存の許可(例:一般・土木一式)に加え、別の工事業種を新たに許可品目として増やす手続きです。
例)土木一式の事業者が、とび・土工・コンクリートや舗装を追加する/建築一式に電気や管を追加する 等。
2. 一般/特定・一式/専門の整理
| 区分 | 概要 | 要点 |
|---|---|---|
| 一般建設業 | 下請中心の施工や、比較的中小規模の請負を想定 | 専任技術者の資格/実務経験要件を満たす |
| 特定建設業 | 下請への高額な発注を伴う大規模施工の元請を想定 | 一般より財務基準や技術者要件が厳格 |
| 一式工事 | 土木一式/建築一式など、複数工種を総合的に取りまとめる工事 | 一式は総合管理力が問われ、専門とは別区分 |
| 専門工事 | 電気・管・とび土工・舗装・塗装・防水 等、各専門工種 | 各業種ごとに専任技術者要件が設定 |
※どの区分で追加すべきかは、受注予定・下請発注の規模・体制で判断します。
3. 他手続との関係
- 更新:5年ごとの許可更新と同時申請にするか、先行して業種追加を行うかを工程で比較
- 業種廃止:不要業種の整理で経審・入札の評価や管理コストを最適化
- 区分変更:一般⇔特定の見直しは、要件・資料が大きく異なるため別工程化
要件確認|通すための4本柱
- 経営管理体制:役員等の権限・関与体制が業種拡大に耐えるか
- 専任技術者:追加業種に合致する資格 or 所定の実務経験+常勤性
- 財産的基礎・金銭的信用:基準に合致し、帳票で裏付けられるか
- 欠格要件:法人・役員・使用人に該当事由がないか
1. 経営管理体制(役員体制・統制)
ポイント
- 役員等の略歴・権限・職務分掌を書面化(組織図・社内規程)
- 既存業種と追加業種の指揮命令系統を明確に
- 営業所ごとの責任者・代行体制を明示
2. 専任技術者(資格・実務経験・常勤性)
典型資料
- 資格証(国家資格 等)または所定の実務経験証明(証明書・工事台帳 など)
- 常勤性の疎明(雇用契約・出勤簿・社会保険加入の確認 等)
- 営業所との配置対応表(どの営業所に誰を専任で置くか)
※資格名称・経験年数の詳細は所管庁の手引・告示で確認してください。
3. 財産的基礎・金銭的信用
自己資本や資金調達能力など、定められた基準を満たす必要があります。直近決算書・残高証明等で裏付けを行い、追加業種による受注拡大に耐える資金計画も併せて確認します。
4. 欠格要件の確認
法人・役員・使用人の各要件を誓約書等で点検。役員交代や人事異動を伴う場合は、同時に変更届も工程に組み込みます。
事前準備|スケジュール・必要書類
1. スケジュールの基本線
| 時期目安 | ToDo | 実務メモ |
|---|---|---|
| T-6〜4週 | 所管庁に事前相談 | 区分・様式・添付・電子申請可否・処理期間・手数料を確認 |
| T-4〜2週 | 書類収集・社内体制整備 | 技術者の資格・経験立証、常勤性の疎明、組織図・分掌の整備 |
| T-2〜1週 | 様式作成・社内レビュー | 誤記・日付・社名表記・押印要否をチェック |
| T-1〜0週 | 提出(電子/郵送/窓口) | 控え確保。補正に備え担当者の連絡体制を明示 |
2. 必要書類チェックリスト
| 区分 | 書類名 | ポイント | 確認 |
|---|---|---|---|
| 申請本体 | 業種追加申請書(様式) | 区分(一般/特定)・業種名・営業所記載を厳密に | □ |
| 技術者 | 専任技術者の資格証/実務経験証明/常勤性資料 | 追加業種に合致する資格・経験+雇用・社保等の疎明 | □ |
| 経営管理 | 役員一覧・略歴書/組織図・職務分掌 | 追加後の指揮命令系統・責任体制を明示 | □ |
| 財務 | 直近期の決算書 等 | 基準適合の裏付け。勘定科目・単位を統一 | □ |
| 誓約等 | 欠格要件等の誓約書 | 法人・役員・使用人の該当有無を確認 | □ |
※様式・部数・押印・手数料は所管庁により異なります。最新の手引をご確認ください。
フローチャート|申請までの流れ
受注計画の確認
所管庁へ事前相談
専任技術者の確定
組織・財務の点検
様式作成・社内レビュー
提出(電子/郵送/窓口)
補正対応
許可後の周辺更新
申請書作成のコツ|よくある疑問
1. 追加業種の実績がなくても申請できる?
追加業種の工事実績がない場合でも、要件(特に専任技術者と体制)を満たせば申請自体は可能です。将来受注の計画に基づき、適正な体制を整備しておきます。
2. 専任技術者の配置替え
既存業種の技術者を新業種に振り向ける場合、既存営業所の常勤性や他業種の要件が崩れないよう、配置表で整合を取ります。
3. 電子申請・郵送・窓口の選び方
- 電子申請:最短・確実。PDF化・容量制限・ファイル形式に注意。
- 郵送:控え返送用の返信封筒・切手・宛名を準備。消印有効か到着日基準かを確認。
- 窓口:その場で軽微な修正が可能。予約制の有無・受付時間を確認。
よくあるNGと回避策
1. 区分選択ミス(一般/特定)
受注計画と下請発注の規模を踏まえずに選ぶと、後段の入札・現場運用で不整合が生じます。元請比率・下請発注額・資金計画で判断。
2. 専任技術者の常勤性不足
複数営業所への過度な兼務や、雇用形態・社会保険の整備不足は補正の典型。雇用契約・就業体制で裏付けます。
3. 帳票の不整合(社名・住所・年月日)
登記・社内台帳・申請様式の記載が一致しないと差戻しの原因に。記載統一のチェックリストを運用しましょう。
4. 経審・入札への反映漏れ
許可後に経審・入札資格・電子入札ID等を更新しないと、受注機会を逃します。工程表に後続更新タスクを組み込みます。
ケーススタディ
1. 舗装工事を追加して公共案件に参入
既存:一般・土木一式。元請の道路補修案件獲得のため舗装を追加。資格保有者を本社に常勤配置し、役員分掌・工事台帳・写真台帳を整備。事前相談→2週間で申請→軽微補正1回で許可、翌年度の経審・入札に接続。
2. 電気・管の同時追加で設備一括受注
建築一式の会社が、下請混在の非効率を是正するため電気・管を同時追加。技術者は別人を配置し、常勤性を社保・勤務表で疎明。同時申請でも工程表を2本立てにして補正を抑制。
3. 既存技術者の配置転用で起きた穴を修復
とび土工の専任者を新業種に移した結果、旧業種の常勤性に疑義。急ぎ社内人事で代替専任者を補完し、雇用・社保手続を同時に実施。所管庁とのコミュニケーションで補正を最小化。
よくある質問(FAQ)
1. どの業種から追加するのが良いですか?
受注計画と保有人材にフィットする業種から。専任技術者の確保が最初のボトルネックです。
2. 実績が無い業種でも問題ない?
要件を満たせば申請可能です。将来受注のための体制整備が重要になります。
3. 申請の所要期間は?
標準処理期間は所管庁で異なります。事前相談→様式整備→提出→補正の工程を前提に、余裕を持って計画してください。
4. 一般から特定に切替すべきか?
下請発注の規模・元請比率・資金計画で判断します。要件・資料が増えるため、費用対効果を精査しましょう。
5. 許可後にすべきことは?
名板表示・社内台帳・経審・入札資格・電子入札ID・Web表示の更新を速やかに行います。
まとめ|要件確認→体制整備→工程管理でスムーズに
建設業許可の業種追加は、(1)経営管理体制(権限・分掌・統制)、(2)専任技術者(資格/実務経験+常勤性)、(3)財産的基礎、(4)欠格要件の4本柱を満たし、所管庁の運用に合わせて資料を整えることが成功の鍵です。
受注計画に基づき区分(一般/特定)と業種を選び、事前相談→書類→提出→補正→許可→周辺更新の工程を標準化すれば、現場を止めずにスピーディーな拡張が可能です。迷ったら、無料相談をご活用ください。
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※様式・添付・標準処理期間・手数料は所管庁により異なります。最新の手引・告示をご確認ください。
