栃木県宇都宮市の許認可専門 女性行政書士

行政書士あさみ法務事務所

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2025.08.25

入札参加資格申請の格付けランク:A・B・Cランクの違いと対策

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「入札参加資格を取得したが、格付けが期待より低い」「A・B・Cランクの違いがよくわからない」「格付けを上げるにはどうすればいいのか」

建設業者様から、入札参加資格申請における格付けランクに関して、こうしたご相談を多数いただいております。

格付けランクは、参加できる入札の規模受注機会の範囲を決定する重要な要素でありながら、その仕組みや向上策について十分に理解されていないケースが少なくありません。

この記事では、入札参加資格申請における格付けランク制度の詳細から各ランクの違い格付け向上のための具体的対策まで、建設業者様の事業拡大に直結する実用的な情報をお届けします。

適切な格付け対策により、より大きな工事への参加機会を獲得し、継続的な事業成長を実現できます。


格付けランク制度の基本概念

1. 格付け制度の目的と意義

格付けランク制度は、建設業者の経営規模や技術力を客観的に評価し、適切な規模の工事に参加させることを目的とした制度です。

この制度により、工事の品質確保公正な競争環境の実現が図られています。

📊 格付け制度の基本原理
能力に応じた参加機会:事業者の技術力・経営力に適した工事規模
品質確保:工事規模に見合った施工能力を持つ事業者の選定
競争の公正性:同等の能力を持つ事業者間での適正な競争
中小企業保護:規模別の受注機会確保

2. 格付けの法的根拠

格付け制度は、以下の法的根拠に基づいて運用されています:

  • 建設業法:建設業者の技術力・経営力に関する規定
  • 地方自治法:地方公共団体の契約制度に関する規定
  • 会計法:国の契約制度に関する規定
  • 公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律

3. 格付けの評価基準

格付けは、経営事項審査(経審)の総合評定値(P点)を主要な判定基準として決定されます。

評価項目 評価内容
X1(完成工事高) 過去2年または3年の平均完成工事高
X2(自己資本・利益) 自己資本額・利払前税引前償却前利益
Y(経営状況) 財務諸表による経営状況の客観的評価
Z(技術力) 技術職員数・元請完成工事高
W(その他) 労働福祉状況・営業継続状況

A・B・Cランクの詳細比較

1. 格付けランクの基本構造

一般的な格付けランクは、A・B・C・D(・E)ランクの4~5段階に分類されます。

各ランクの基準は、発注機関や地域により異なりますが、経営事項審査(P点)の「客観的評価」と、工事経歴・成績などの「主観的評価」を基準としています。

🏆 一般的な格付け基準(土木工事の例)

  • Aランク:P点+主観的評価 1,000点以上(大規模工事対応)
  • Bランク:P点+主観的評価 800点以上1,000点未満(中規模工事対応)
  • Cランク:P点+主観的評価 600点以上800点未満(小中規模工事対応)
  • Dランク:P点+主観的評価 600点未満(小規模工事対応)

2. Aランクの特徴と要件

Aランクは最上位の格付けとして、大規模工事への参加が可能です。

項目 Aランクの特徴
参加可能工事規模 5億円以上~制限なし
必要な完成工事高 年間20億円以上(業種により異なる)
技術職員数 1級技術者を含む多数の有資格者
財務要件 自己資本比率20%以上、高い収益性
競争環境 大手建設会社との競争

Aランクのメリット

  • 大規模工事への参加:高額工事による大きな収益機会
  • 企業信頼度の向上:最上位ランクによる社会的信用
  • 優先的な発注:一部の大規模工事で優先的に指名
  • 長期的な事業安定性:継続的な大型工事受注

3. Bランクの特徴と要件

Bランクは中規模工事を中心とした格付けで、多くの建設業者が目指すランクです。

項目 Bランクの特徴
参加可能工事規模 1億円以上5億円未満
必要な完成工事高 年間10億円以上(業種により異なる)
技術職員数 1級・2級技術者のバランス配置
財務要件 自己資本比率15%以上、安定した収益
競争環境 中堅建設会社との適度な競争

Bランクのメリット

  • バランスの良い受注機会:中規模工事の安定した受注
  • 競争環境の適正性:過度な競争にならない適切な参加者数
  • 成長への足がかり:Aランクへの昇格を目指せる位置
  • 地域密着の優位性:地元での信頼関係を活かした受注

4. Cランクの特徴と要件

Cランクは小中規模工事を対象とした格付けで、多くの中小建設業者が属するランクです。

項目 Cランクの特徴
参加可能工事規模 5,000万円以上1億円未満
必要な完成工事高 年間5億円以上(業種により異なる)
技術職員数 2級技術者中心の配置
財務要件 自己資本比率10%以上、基本的な収益性
競争環境 中小建設会社との競争

Cランクのメリット

  • 参入しやすい規模:中小企業でも参加しやすい工事規模
  • 地域密着の強み:地元での信頼関係を活かした受注
  • 継続的な改善機会:Bランクへの昇格を目指した成長
  • 専門性の発揮:特定分野での技術力アピール

格付けランク別の受注機会

1. 工事規模別の参加制限

格付けランクにより、参加可能な工事の規模が明確に制限されます。

⚠️ 工事規模制限の重要性
格付けランクを超える工事規模の入札には参加できません。
事業拡大のためには、計画的な格付け向上が不可欠です。

ランク 参加可能工事規模 代表的な工事種類 年間受注可能額(目安)
Aランク 5億円以上~制限なし 大規模橋梁・トンネル
大型公共施設
50億円以上
Bランク 1億円以上5億円未満 道路改良・河川改修
中規模建築工事
10億円~30億円
Cランク 5,000万円以上1億円未満 舗装工事・維持修繕
小規模建築工事
3億円~10億円
Dランク 5,000万円未満 軽微な修繕工事
小規模土木工事
1億円~3億円

2. 業種別の格付け基準

格付けランクは業種によって異なる基準が設定されています:

🏗️ 土木工事業

  • 完成工事高重視
  • 技術職員数の評価
  • 施工実績の考慮
  • 地域性の重視

🏢 建築工事業

  • 設計施工能力
  • 品質管理体制
  • 建築士の配置
  • 専門工事の統括力

3. 地域別の格付け傾向

地域により格付けの傾向と競争環境が異なります:

  • 都市部:高いP点が要求される傾向、競争激化
  • 地方部:相対的に低いP点でも上位ランク取得可能
  • 山間部・離島:地域性を重視した評価
  • 災害復旧地域:実績と対応力を重視

格付け向上のための具体的対策

1. 完成工事高(X1)の向上策

格付けに最も大きな影響を与える完成工事高の向上は、長期的な取り組みが必要です。

📈 完成工事高向上の戦略

  • 受注量の拡大:営業活動の強化と新規顧客開拓
  • 工事単価の向上:付加価値の高い工事への参入
  • 継続的な受注:既存顧客との長期的関係構築
  • 地域拡大:営業エリアの段階的拡大
  • 共同企業体の活用:大規模工事への参加機会創出

具体的な取り組み例

取り組み内容 期待効果 実施時期
営業体制の強化 受注機会20%増加 短期
新規業種への参入 工事高30%増加 中長期
JVでの大型工事参加 工事高50%増加 短期

2. 財務状況(X2・Y)の改善策

財務状況の改善は、格付け向上の基盤となる重要な要素です。

自己資本の充実

  • 利益剰余金の蓄積:継続的な利益の内部留保
  • 増資の実施:株主による資本金の増加
  • 借入金の返済:借入金比率の改善
  • 資産効率の改善:不要資産の処分・有効活用

経営効率の向上

💰 収益性の向上

  • 原価管理の徹底
  • 適正な利益率の確保
  • 無駄な経費の削減
  • 効率的な工事管理

📊 財務指標の改善

  • 売上高総利益率の向上
  • 自己資本比率の改善
  • 流動比率の適正化
  • 負債回転期間の短縮

3. 技術力(Z)の強化策

技術力の向上は、格付けアップの重要な要素です。

技術職員の確保・育成

対策 具体的な取り組み 期待効果
有資格者の採用 1級・2級技術者の中途採用 Z点の直接的向上
資格取得支援 社内技術者の資格取得支援 中長期的な技術力向上
技術研修の実施 継続的な技術教育・研修 技術レベルの底上げ

元請完成工事高の向上

  • 元請比率の向上:下請中心から元請中心への転換
  • 直接受注の拡大:発注者との直接契約増加
  • 営業力の強化:提案型営業の実施
  • 信頼関係の構築:発注者との長期的パートナーシップ

4. その他の審査項目(W)の改善

労働福祉の状況や営業継続の状況も、格付けに重要な影響を与えます。

労働福祉の充実

👥 労働環境の改善項目

  • 社会保険の完備:雇用保険・労災保険・健康保険・厚生年金
  • 退職金制度の整備:建設業退職金共済制度への加入
  • 法定福利費の適正負担:下請契約での法定福利費の明示
  • 安全管理体制の強化:労働安全衛生管理の徹底

営業継続の状況

評価項目 改善方法 加点効果
防災協定の締結 自治体との災害時協定 地域貢献として加点
ISO認証取得 品質・環境管理システム 技術力・信頼性向上
若年技術者の雇用 35歳未満技術者の採用 建設業の担い手確保

ランク別の戦略的アプローチ

1. CランクからBランクへの昇格戦略

多くの中小建設業者が目指すCランクからBランクへの昇格には、計画的な取り組みが必要です。

🎯 Bランク昇格の重点項目

  1. 完成工事高の倍増:年間5億円→10億円への拡大
  2. 技術者の質的向上:2級技術者から1級技術者への転換
  3. 元請比率の向上:下請中心から元請中心への転換
  4. 財務体質の強化:自己資本比率15%以上の達成
  5. 労働環境の整備:法定福利費の適正負担

具体的な行動計画

期間 重点取り組み 数値目標
1年目 営業強化・技術者採用 工事高30%増・1級技術者1名採用
2年目 元請比率向上・財務改善 工事高50%増・元請比率60%
3年目 総合力向上・申請準備 工事高10億円・P点800点突破

2. BランクからAランクへの昇格戦略

BランクからAランクへの昇格は、大幅な経営体質の変革が必要となります。

Aランク昇格の課題

  • 大幅な事業規模拡大:年間工事高20億円以上の達成
  • 組織体制の強化:管理部門の拡充と専門化
  • 技術力の飛躍的向上:1級技術者の大幅増員
  • 財務基盤の確立:自己資本比率20%以上の維持
  • 品質管理体制の高度化:ISO認証等の取得

段階的な成長戦略

🎯 第1段階(1-2年)

  • JV参加による大型工事経験
  • 技術者の計画的採用
  • 財務体質の段階的改善
  • 営業エリアの拡大

🚀 第2段階(2-3年)

  • 単独での大型工事受注
  • 組織体制の抜本的強化
  • 品質管理システムの高度化
  • M&Aによる事業拡大

3. 格付け維持の重要性

格付けの向上だけでなく、現在の格付けを維持することも重要です。

⚠️ 格付け低下のリスク要因

  • 完成工事高の急激な減少:景気変動や受注環境の悪化
  • 技術者の大量退職:技術力評価の低下
  • 財務状況の悪化:赤字決算や債務超過
  • 法令違反・事故:指名停止や営業停止
  • 経審の失効:更新手続きの失念

格付け向上のスケジュール管理

1. 中長期計画の策定

格付け向上は短期間では達成困難なため、3~5年の中長期計画が必要です。

年度 主要施策 数値目標 重点項目
1年目 基盤整備・人材確保 工事高120%・技術者2名増 X1・Z評価向上
2年目 事業拡大・体制強化 工事高150%・元請比率70% X1・Z・W評価向上
3年目 財務改善・品質向上 工事高200%・自己資本比率15% X2・Y評価向上

2. 年次管理サイクル

格付け向上のための年次管理サイクルを確立することが重要です。

📅 年次管理サイクル

  • 4月:新年度計画の策定・目標設定
  • 6月:第1四半期実績の評価・軌道修正
  • 9月:中間評価・下半期計画の見直し
  • 12月:年末実績の確認・次年度準備
  • 3月:年度総括・経審申請準備

3. 継続的改善の仕組み

格付け向上は一回限りの取り組みではなく、継続的改善が必要です。

  • 月次モニタリング:主要指標の定期的な確認
  • 四半期レビュー:進捗状況の評価と対策検討
  • 年次見直し:目標と実績の比較分析
  • 戦略の修正:環境変化に応じた計画の見直し
  • 成功事例の共有:組織全体での知識の共有

専門家との連携

1. 行政書士による支援

格付け向上には、行政書士による専門的支援が効果的です。

📋 行政書士の支援内容

  • 経審申請書の作成・提出
  • 格付け向上戦略の策定
  • 必要書類の準備支援
  • 申請スケジュールの管理

🎯 専門家活用のメリット

  • 客観的な現状分析
  • 効果的な改善策の提案
  • 手続きの確実性向上
  • 時間とコストの削減

2. 税理士・会計士との連携

財務状況の改善には、税理士・会計士との連携が不可欠です。

  • 財務分析と改善提案:経営状況の客観的評価
  • 税務戦略の策定:節税と財務改善の両立
  • 資金調達の支援:事業拡大に必要な資金確保
  • 決算書の最適化:経審に有利な決算書作成

3. 継続的なコンサルティング

格付け向上は長期的な取り組みのため、継続的なコンサルティングが効果的です。

サービス内容 頻度 期待効果
定期的な進捗確認 月1回 計画の確実な実行
戦略の見直し 四半期毎 環境変化への対応
経審申請支援 年1回 申請の確実性向上

まとめ

入札参加資格申請における格付けランクは、建設業者様の事業規模と受注機会を決定する重要な要素です。
A・B・Cランクの違いを正しく理解し、計画的な格付け向上に取り組むことで、継続的な事業成長を実現できます。

格付け向上の成功要因:

  • 経営事項審査の評価項目を正確に理解する
  • 完成工事高・技術力・財務状況の総合的改善
  • 中長期的な視点での継続的な取り組み
  • 専門家との連携による効果的な戦略実行
  • 定期的な進捗管理と戦略の見直し

格付け向上は一朝一夕には実現できないものの、適切な戦略と継続的な努力により、必ず成果を得られます。

また、現在の格付けランクに関わらず、継続的な改善格付けの維持が、安定した事業運営の基盤となります。

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