栃木県宇都宮市の許認可専門 女性行政書士

行政書士あさみ法務事務所

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2026.06.01

経営事項審査(経審)とは?仕組みと評価項目をわかりやすく解説

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「公共工事に入りたいので入札参加資格を出したい」「経審を受けないといけないと聞いたけれど、そもそも何を見られる審査なのかわからない」。建設会社の経営者や総務担当者から、こうしたご相談は非常に多く寄せられます。建設業許可までは理解していても、その先にある経営事項審査まで正確に把握できている会社は意外と多くありません。

経営事項審査は、公共工事を発注者から直接請け負おうとする建設業者にとって重要な手続です。ただ、名前だけ聞くと難しく見えますし、「決算書を出して点数が出るもの」という程度の理解で止まってしまうこともあります。実際には、売上規模だけでなく、技術者、完成工事高、財務内容、法令遵守、建設機械の保有状況など、会社の経営実態を多面的に数値化して評価する仕組みです。

経審の仕組みを理解しておくと、単に申請を通すだけでなく、「どこを整えれば今後の評価につながるのか」が見えてきます。特に栃木や宇都宮で公共工事への参入や継続受注を考える建設会社にとっては、毎年の管理が必要になる大切なテーマです。

経営事項審査(経審)とは何か

経営事項審査とは、公共工事を発注者から直接請け負おうとする建設業者が受ける客観的な審査です。各発注機関は、入札参加資格の審査を行う際に、会社ごとの主観的な事情だけではなく、共通の基準で比較できる客観的な指標を必要とします。その客観的な部分を数値で示すのが経審です。

つまり、経審は「この会社は公共工事を請け負う建設業者として、どの程度の経営規模、技術力、社会性を備えているか」を数値化する制度です。公共工事に直接参加したい場合には、建設業許可だけでは足りず、その先の経審と入札参加資格審査まで視野に入れる必要があります。

たとえば、民間工事では安定して売上を出している会社でも、公共工事に入る段階で「経審は未受審だった」「経審は受けたが有効期間管理ができていなかった」というケースがあります。経審は、公共工事の入口として避けて通れない手続だと考えるとわかりやすいです。

POINT|経審は「公共工事のための客観評価」です

建設業許可が「一定規模以上の工事を請け負うための許可」であるのに対し、経審は「公共工事の入札や契約に向けて会社を数値で評価する仕組み」です。この違いを最初に押さえておくと全体像がつかみやすくなります。

1. 経審が必要になる場面

国、都道府県、市町村などが発注する公共工事を元請として直接受注したい場合に、経審が必要になります。反対に、民間工事だけを受注する会社であれば、建設業許可は必要でも経審までは不要ということがあります。

2. 入札参加資格との違い

経審そのものが入札参加資格ではありません。経審は、入札参加資格審査に使われる客観的資料の一つです。実務では、建設業許可、経審、各発注者の入札参加資格申請という順番で考えると整理しやすくなります。

経審の仕組みはどうなっているのか

経審は、大きく分けると「経営状況分析」と「経営規模等評価・総合評定値請求」の流れで進みます。まず登録経営状況分析機関で経営状況分析を受け、その結果をもとに許可行政庁へ経営規模等評価の申請と総合評定値の請求を行います。

ここで出てくるのが、いわゆるP点です。P点は、完成工事高、自己資本や利益、財務状況、技術職員数、元請完成工事高、社会性等の各項目をもとに算出される総合的な評点です。公共工事に関心がある会社は、このP点だけでなく、元になる各評価項目の中身を見ていく必要があります。

たとえば、「売上はあるのに思ったより点が伸びない」と感じる会社では、技術力や社会性等の加点項目が十分に反映されていないことがあります。経審は決算書の数字だけを見る制度ではないため、内訳の確認が大切です。

STEP1

経営状況分析を受ける

決算内容をもとに、負債抵抗力や収益性、財務健全性などの分析を受け、Y点の基礎となる結果を取得します。

STEP2

許可行政庁へ経営規模等評価を申請する

完成工事高、自己資本額、技術職員数、社会性等の資料をもとに、X・Z・Wなどの評価を受けます。

STEP3

総合評定値(P点)を確認し、入札参加資格申請へつなげる

発注者ごとの資格審査や格付の資料として使うため、結果通知の内容を確認し、次の申請準備に進みます。

1. 経営状況分析だけで終わりではない

「分析機関に出せば経審が終わる」と誤解されることがありますが、経営状況分析は経審の一部です。その後に許可行政庁での審査と総合評定値請求が必要になります。

2. 毎年のスケジュール管理が重要

公共工事を継続して直接受注したい会社では、経審の有効期間が切れないように毎年計画的に進める必要があります。決算変更届との順番も含め、年間スケジュール管理が欠かせません。

評価項目P・X・Y・Z・Wをわかりやすく整理

経審でよく出てくるのが、P・X・Y・Z・Wという記号です。これを見ると難しく感じますが、意味を分けるとそれほど複雑ではありません。Pは総合評定値、Xは経営規模、Yは経営状況、Zは技術力、Wはその他審査項目(社会性等)です。

ここで重要なのは、経審は一つの数字だけで決まるのではなく、複数の評価軸を組み合わせて総合点を出しているという点です。売上が大きい会社でも、技術職員や社会性等が弱いと評価は伸びにくくなります。逆に、規模がそれほど大きくなくても、技術力や社会性等をしっかり整えている会社は評価を積み上げやすくなります。

項目 内容 ポイント
P 総合評定値 X・Y・Z・Wをもとに算出される最終的な総合点です。
X1・X2 完成工事高、自己資本額、利払前税引前償却前利益などの経営規模 会社の規模や事業の大きさに関わる指標です。
Y 経営状況 財務内容をもとにした分析結果で、負債抵抗力や収益性などが見られます。
Z 技術力 技術職員数や元請完成工事高など、現場を支える人的・実績面の評価です。
W その他審査項目(社会性等) 法令遵守、防災協定、建設機械、経理体制、就業履歴管理など幅広い要素が入ります。

1. Xは「会社の規模」を見る項目

完成工事高が多い会社ほど有利に見えますが、自己資本額や利益の状況も関わります。単純に売上だけではなく、会社の基礎体力が問われる部分です。

2. Yは「財務の健全性」を見る項目

借入依存度や利益率などの財務内容が反映されます。赤字だから直ちに極端に不利という単純な話ではありませんが、継続的に財務体質を整えていくことが評価に影響します。

3. ZとWは日頃の管理体制が差になる

技術職員の配置や資格管理、防災活動、経理の整備、CCUS関連の取組、建設機械の保有状況などは、普段の会社運営がそのまま点数につながる部分です。ここは「申請直前に慌てて整える」より、日常管理の質がものを言います。

社会性等(W)で見られるポイントと最近の傾向

近年の経審では、社会性等の項目がより重要になっています。法令遵守や防災協定、経理体制だけでなく、担い手の確保・育成、就業履歴の蓄積に関する取組、建設技能者を大切にする取組など、会社の姿勢そのものが評価される方向に進んでいます。

ここは特に誤解されやすい部分です。「売上や利益だけではどうにもならない」と感じる会社でも、Wの見直しによって改善できる余地があることがあります。反対に、日頃の管理が不十分だと、本来取れる加点を逃しているケースもあります。

たとえば、建退共への加入状況、退職一時金や企業年金制度、法定外労災、若年技術者の育成、ワーク・ライフ・バランスの取組、建設工事従事者の就業履歴管理、建設機械の保有状況などは、社内管理体制の差がそのまま表れやすい項目です。

CAUTION|経審は「決算書だけ見ればいい」わけではありません

特にWの項目は、制度加入、証明資料、就業履歴の管理、経理体制など、日頃の運用が重要です。決算月が近づいてから慌てて確認しても間に合わない項目があります。

1. 日常の取組が点数に変わる

たとえば、防災協定への参加や建設機械の保有状況は、公共性や地域貢献とのつながりも強い項目です。宇都宮や栃木県内で地域密着型の建設会社として活動している場合、こうした項目の整理は経審だけでなく対外的な信頼にもつながります。

2. 証明資料の管理が評価の前提になる

制度に加入していても、必要資料が出せなければ経審で評価されません。加入しているだけで安心せず、どの資料をどの時点で出せるかまで管理しておくことが重要です。

点数アップのために確認したいチェックリスト

経審対策で大切なのは、申請直前に慌てて動くことではなく、毎年の決算と管理体制を見ながら改善余地を探すことです。経審の点数は、単に「高いほうが良い」というだけでなく、自社が狙う発注者や案件の格付・参加条件と照らして考える必要があります。

以下は、実務上よく確認したいポイントです。「はい/いいえ」で確認しながら、自社の改善余地を見つける材料として使えます。

  • 必要な建設業許可業種と、実際に狙う公共工事の工種が一致している
  • 決算変更届を期限内に提出し、経審へ進める状態になっている
  • 技術職員の資格・実務経験・所属状況を一覧で管理できている
  • 元請完成工事高の整理ができている
  • 建退共、法定外労災、退職金制度などの加入状況を確認できる
  • 防災協定や建設機械、経理処理体制などW項目の証明資料を揃えられる
項目 内容 ポイント
許可業種 狙う工事に合った許可業種か 業種がずれていると、そもそも受注戦略に支障が出ます。
技術者管理 資格・所属・経験の整理 Z点に直結し、年度ごとの差も出やすい部分です。
財務内容 自己資本や利益の状況 YやX2に影響するため、決算の見方も重要になります。
社会性等 防災、経理、制度加入、就業履歴、建設機械など 日常管理の差が出やすく、改善余地を見つけやすい項目です。

1. よくあるケース

「売上は増えているのに点数が思ったほど伸びない」と感じる会社では、技術者区分の整理不足やW項目の加点漏れが原因になっていることがあります。逆に、決算書だけでなく資料管理まで丁寧に行っている会社は、安定して点数管理がしやすくなります。

2. 毎年の比較が重要

経審は単年で見るより、前年と比べてどこが上がり、どこが下がったのかを見ることが重要です。その比較ができると、翌年に向けて改善すべき項目がはっきりします。

経審でつまずきやすい注意点

経審でよくあるつまずきは、制度そのものが難しいというより、準備の順番や資料管理が追いついていないことにあります。特に多いのは、決算変更届が未提出、技術者資料の整理不足、元請完成工事高の確認不足、W項目の証明資料不足です。

また、経審は受けて終わりではありません。結果通知書の見方を理解し、入札参加資格申請や翌年の改善にどうつなげるかが大切です。ここを見落とすと、毎年ただ申請するだけになり、点数管理が戦略につながりません。

1. 決算変更届との順番を間違える

経審の前提として、事業年度終了後の届出が整っていることが重要です。ここが未了だと、経審まで進めない、あるいはスケジュールが大きくずれることがあります。

2. 技術者情報を申請時だけ集めようとする

資格証、監理技術者資格、講習関係、所属状況などを申請時に一気に確認しようとすると、漏れやすくなります。普段から一覧で管理する体制が必要です。

3. 経審結果を経営改善に使っていない

結果通知書を受け取ったあとに、「なぜこの点数になったのか」を見直さず終わる会社もあります。経審は翌年の改善ポイントを見つける材料でもあるため、単なる提出業務で終わらせないことが大切です。

よくある質問

最後に、経審について特によく聞かれる質問を整理します。制度の基本を押さえておくと、公共工事への参入や継続受注に向けた準備がしやすくなります。

Q

経審は建設業許可があれば必ず受けなければなりませんか。

A

必ずではありません。公共工事を発注者から直接請け負おうとする場合に必要になります。民間工事のみであれば、建設業許可は必要でも経審は不要なことがあります。

Q

P点が高ければ必ず入札で有利になりますか。

A

P点は重要ですが、それだけで全てが決まるわけではありません。発注者ごとの格付、地域要件、工事実績、主観点の扱いなども関わるため、P点はあくまで土台の一つと考えるのが実務的です。

Q

経審の点数は毎年同じになりますか。

A

同じにはなりません。完成工事高、財務内容、技術者の状況、社会性等の加点項目が年度によって変わるため、毎年結果は動きます。

Q

経審の準備はいつから始めるべきですか。

A

決算後に動き出すだけでは遅いことがあります。技術者情報、制度加入状況、W項目の証明資料などは年間を通じて管理しておくのが理想です。

POINT|経審は「毎年の経営管理の結果」が見える制度です

単に申請書を出すだけではなく、技術者管理、財務改善、社会性等の取組を積み重ねることで、翌年以降の評価につながります。経審を経営改善の指標として使う視点が重要です。

経営事項審査は、公共工事のための形式的な手続に見えますが、実際には会社の体制や管理水準がそのまま表れやすい制度です。だからこそ、仕組みと評価項目を理解したうえで、毎年の準備を計画的に進めることが大切です。

「自社の経審は何が弱いのか」「P点をどう見ればよいのか」「建設業許可、経審、入札参加資格まで一体で整理したい」とお考えの場合は、早めに確認しておくと手戻りを減らしやすくなります。

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経審の基礎整理から、建設業許可・決算変更届・入札参加資格を見据えた流れの確認までまとめてご相談いただけます。

行政書士あさみ法務事務所(代表:平塚麻美)は、建設業許可の要件確認から
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※必要書類や運用は所管庁によって異なります。最新の手引・告示を確認しつつ、当事務所でも適切な進め方をご案内します。

  
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