栃木県宇都宮市の許認可専門 女性行政書士

行政書士あさみ法務事務所

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2025.03.24

産廃許可申請時に求められる施設基準とは?

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産廃施設

 

 

産廃許可申請において、施設基準は最も重要な審査項目のひとつです。産業廃棄物処理業者が事業を適正に運営するためには、施設や設備が法令で定められた基準に合致している必要があります。施設基準は、事業の種類(収集運搬業・中間処理業・最終処分業)によって異なり、それぞれに必要な設備や管理体制が定められています。環境保全や安全管理の観点から、建物の設計、付帯設備、排水や排気の管理、火災や災害対策など、多岐にわたる要素を含んでいます。本記事では、産廃許可申請時に求められる施設基準について、わかりやすく具体例を交えながら解説します。

 


1. 収集運搬業(積替え保管なし)

収集運搬業は、産業廃棄物を適切に運搬するための設備や管理体制が求められます。特に積替え保管を行わない場合、以下の基準を満たす必要があります。

 

  • 運搬車両の確保:適切な構造を有する車両を使用すること。
  • 運搬容器の確保:漏れや飛散を防止する密閉型のコンテナ等を使用すること。
  • 点検・清掃の実施:車両および容器の定期的な点検・清掃を実施し、廃棄物の飛散や漏洩を防ぐこと。

 


2. 収集運搬業(積替え保管あり)

積替え保管を行う場合、廃棄物を一時的に保管する施設が必要となります。以下の施設基準を満たさなければなりません。

 

  • 保管施設の設置:屋根や囲い、コンクリートなどの不浸透性の床を設けること。
  • 漏洩防止措置:防液堤や排水処理設備を設置し、雨水や廃棄物の流出を防ぐこと。
  • 保管容量の制限:許可を受けた範囲内の量を超えないよう管理すること。
  • 標識の設置:事業者名、許可番号、廃棄物の種類等を明示した標識を掲示すること。

 


3. 中間処理業(焼却・破砕・脱水等)

中間処理業では、産業廃棄物の性質を変化させるための施設を設ける必要があります。具体的な施設基準は以下の通りです。

 

  • 処理施設の基準:処理能力に応じた適正な設備を備えること。
  • 排ガス・排水処理設備の設置:焼却施設等の場合、大気汚染防止のためのフィルターや排水処理設備を設置すること。
  • 飛散・流出・悪臭防止措置:密閉型設備や脱臭装置を導入し、周辺環境への影響を抑えること。
  • 保管施設の確保:適切な容量の保管施設を設け、廃棄物の種類ごとに識別表示を行うこと。
  • 緊急時対応設備:消火設備や防火壁を設置し、火災や事故に備えること。

 


4. 最終処分業(埋立・海洋投入)

最終処分業では、廃棄物を安全に埋め立てたり、環境基準を満たしたうえで処分したりするための施設が必要です。

 

  • 埋立地の構造基準:遮水シートや排水処理設備を設け、廃棄物の浸出水が地下水や周辺環境に影響を与えないようにすること。
  • 浸出水処理施設の設置:埋立地からの浸出水を適切に処理するための施設を設置すること。
  • 周辺環境への影響防止措置:モニタリング設備を整備し、大気・水質・土壌への影響を定期的に調査すること。
  • 安定化措置:埋立材の性状管理を行い、適切に固化・安定化させること。

 


まとめ

産廃許可申請時に求められる施設基準は、事業者が環境保全と安全運営を実現するための基礎となる重要な要素です。施設の設計、設備の整備、排水・排気システム、防災対策、さらには定期点検や保守管理体制まで、多岐にわたる基準が厳格に定められています。申請書類の作成にあたっては、最新の法令情報を反映し、具体的な現況報告とともに十分な証拠資料を添付することが求められます。また、内部体制の整備と外部専門家との連携により、申請の成功率を高め、事業運営の信頼性を確保することが重要です。

なお、施設基準は都道府県や政令市ごとに異なる場合があるため、具体的な要件については各自治体の条例やガイドラインを確認することをおすすめします。。

これから産廃許可の申請を検討される事業者は、各施設基準の要件を正確に把握し、万全の準備を行うことで、スムーズな申請手続きと安定した事業運営を実現できるでしょう。

 

  
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