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オンライン販売を始める際に必要な古物商許可とは?
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オンラインで中古品を売って利益を得る。メルカリ、ヤフオク、BASE、STORESなどの普及により、個人でも気軽に物販ビジネスを始められる時代になりました。副業としての人気も高まっています。
しかし、「中古品の販売は自由にできる」と考えて無許可でネット販売を始めてしまうと、古物営業法に違反する可能性があります。
特に「古物商許可」を得ずに継続的に販売を行っている場合、無許可営業として3年以下の懲役または100万円以下の罰金が科されることもあります(古物営業法 第31条)。
この記事では、オンラインで中古品販売を始めたいと考える方に向けて、古物商許可の制度、必要な手続き、注意点、行政書士によるサポートを詳しく解説します。
目次
古物商許可が必要となるオンライン販売とは
1. 古物営業法における「古物」の定義
「古物商許可」が必要となるかどうかは、販売する物が「古物」にあたるかが重要です。
古物営業法 第2条では、「古物」とは以下のように定義されています。
一度使用された物品、または未使用であっても取引された物品
例えば以下のような品物が該当します。
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衣類、バッグ、アクセサリー
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カメラ、家電、パソコンなどの電子機器
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美術品、楽器
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時計や宝石類
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書籍、CD、DVD、ゲームソフト
新品未使用でも、一度誰かが購入したものであれば「古物」に該当する可能性があります。
2. オンライン販売と古物営業の関係
「対面での販売でなければ許可はいらないのでは?」と誤解される方もいますが、古物営業法では取引の場所や形式は関係なく、反復継続して古物を取引する行為全般が規制対象です。
つまり、以下のようなオンライン販売もすべて古物営業にあたります。
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メルカリやラクマなどのフリマアプリで継続的に販売
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ヤフオクなどのオークションサイトを使った転売
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BASEやSTORESなどで中古品を販売するネットショップの運営
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自社ECサイトで中古スマホやゲーム機を販売
古物商許可取得の流れと要件
1. 古物商許可は誰でも取れるのか?
古物商許可は、法人・個人を問わず誰でも取得できます。ただし、申請者が次のような欠格事由に該当する場合は許可されません(古物営業法 第4条)。
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禁錮以上の刑に処されたことがある
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暴力団関係者である
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未成年である(個人の場合)
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破産して復権していない
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過去に古物商許可を取り消されたことがある
許可の審査は、営業所所在地を管轄する公安委員会(通常は警察署生活安全課)で行われます。
2. 許可取得までの流れ
オンライン販売を始める前に、次のような手順で許可を取得します。
古物商許可申請の基本的な流れ
ステップ | 内容 |
---|---|
①書類準備 | 申請書、住民票、略歴書、身分証明書、営業所の契約書など |
②警察署窓口へ提出 | 所轄警察署の生活安全課へ提出(法人は代表者名義) |
③手数料納付 | 19,000円(都道府県ごとに異なる可能性あり) |
④審査期間 | 通常は30~40日程度 |
⑤許可証交付 | 許可番号の記載された証明書を受け取る |
⑥標識掲示 | 営業所に古物商プレート(標識)を掲示 |
申請は本人でも可能ですが、必要書類が多く、提出の順序や書式に地域差もあるため、行政書士に依頼するケースも多くあります。
オンライン販売に特有の注意点
1. 営業所の「実在性」が求められる
オンライン販売であっても、古物商許可の取得には「営業所」が必要です。
営業所には以下の条件が求められます。
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営業実態がある(郵便物や電話が届く)
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使用権限が確認できる(賃貸契約書や使用承諾書)
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管理者が常駐または定期的に管理している
よくあるNG例
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バーチャルオフィスを利用している
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自宅が賃貸で、事業利用不可とされている
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営業所とする場所が友人名義で使用許可が出ていない
2. インターネット販売時の表示義務
古物商許可を取得した後、ネット上で古物を販売する場合には、特定商取引法に基づく表示に加え、古物営業法に基づく許可番号の表示も必要です。
サイトや出品ページに記載する例:
東京都公安委員会 第123456789号
古物商許可取得者:山田太郎
これを怠ると、監督官庁から指導が入る可能性があります。
よくある質問とトラブル事例
1. 自宅を営業所にできますか?
自宅でも許可は取得可能ですが、賃貸契約に「事業使用不可」の文言がある場合や、管理規約で禁止されている場合は不可となる可能性があります。あらかじめオーナーや管理会社に確認しておきましょう。
2. フリマアプリで月に数回売る程度でも許可が必要?
販売が「反復継続して行われる」「利益を得ることが目的」であれば、件数や金額に関係なく古物商許可が必要とされます。
一方、不要品を一度きりで処分するだけであれば、営業には該当しません。
3. 許可を取らずに販売していたらどうなりますか?
無許可営業は「古物営業法 第31条」に違反します。処罰の対象となる可能性があるため、オンラインで中古品を販売する場合は必ず事前に許可を取得しましょう。
行政書士に依頼するメリット
1. 書類準備がスムーズに進む
古物商許可の申請には、申請書の記入、略歴書の作成、住民票・身分証明書の取得、営業所関連の書類など、多くの準備が必要です。
行政書士に依頼すれば、これらを正確かつ迅速に整えることができます。
2. 管轄ごとの要件に対応できる
警察署によっては、写真の提出や図面の添付を求めるなど、独自の運用をしている場合があります。行政書士はこれらの地域差にも精通しているため、不要な差し戻しを防ぐことができます。
3. ネット販売に特化した助言も可能
行政書士あさみ法務事務所では、オンライン販売に特化した運用アドバイスや、今後の営業所追加、名義変更、法人化支援まで幅広く対応しています。
まとめ|ネットで中古品を売るなら、古物商許可は必須です
オンラインで中古品を販売するには、実店舗を持たなくても古物商許可が必要です。
「ネットだけだから大丈夫」「個人の副業だからバレない」と思って始めた結果、無許可営業として処罰されるケースは年々増加しています。
中古品販売をビジネスとして始めたい方は、最初のステップとして、まずは古物商許可の取得から着実に行いましょう。
行政書士あさみ法務事務所では、古物商許可の取得から運用サポートまで、オンライン販売を始める方を支援しています。
不安なことがあれば、ぜひ一度ご相談ください。
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