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建設業許可申請に必要な経営状況分析のポイント
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公共工事を入札するために必要な経営事項審査をするためには、事前に経営状況分析を受ける必要があります。
経営状況の健全性を証明する「経営状況分析」が必要です。これは、建設業者が財務的に安定しており、事業を継続できる能力があることを示す重要なプロセスです。経営状況分析は、国土交通大臣が指定する機関によって実施され、その結果は「経営事項審査(経審)」にも影響を与えます。本記事では、建設業許可申請における経営状況分析のポイントについて詳しく解説し、スムーズな申請のための対策を紹介します。
経営状況分析とは
経営状況分析は、建設業許可申請や経営事項審査(経審)を受ける際に必要となる財務状況の審査です。建設業者が安定した経営を維持できるかどうかを評価するため、決算書をもとに財務指標を分析します。
1. 経営状況分析の目的
建設業許可を受けた企業が公共工事の入札に参加する際、経審を受ける必要があります。その中で、経営状況分析(Y評点)は、財務内容を数値化し、企業の安定性を評価するものです。
2. 経営状況分析の流れ
経営状況分析の手続きは以下のステップで進められます。
1.必要書類の準備
財務諸表(貸借対照表・損益計算書・株主資本等変動計算書)
2.登録分析機関に申請
申請料を支払い、必要書類を提出
分析結果(経営状況分析結果通知書)を受け取る
3.経営事項審査(経審)を受ける
分析結果をもとに、都道府県または国土交通省に審査申請
総合評点(P点)が算出され、入札の指標となる
この流れをスムーズに進めることで、審査期間を短縮することができます。
経営状況分析のY点を向上させるためのポイント
1. 財務体質の改善
Y点を向上させるためには、以下の点に取り組むことが重要です。
1.自己資本を増やす
増資や利益の積み立てを行い、自己資本比率を向上させる。
借入金の返済を進めて負債比率を下げる。
2.利益率を改善する
売上総利益率や経常利益率を高めるために、原価管理の徹底や受注単価の向上を図る。
3.キャッシュフローを健全化
営業キャッシュフローを増やすために、売掛金の早期回収や無駄な支出の削減を行う。
4.労働生産性を向上
ICTの活用や作業効率化を進めて、営業利益を増加させる。
2. 経営状況分析の申請前準備
経営状況分析を受ける際は、事前に提出書類のチェックを行い、不備がないか確認することが重要です。
提出書類の準備
- 貸借対照表
- 損益計算書
- 完成工事高の内訳書
- 株主資本等変動計算書(法人の場合)
これらの書類が正しく準備されていることを確認した上で、指定の分析機関へ申請を行います。
経営状況分析を依頼できる指定機関
経営状況分析は、国土交通大臣が指定する分析機関で行います。以下のいずれかの機関へ申請を行うことができます。
指定機関 | URL(参考) |
---|---|
一般財団法人 建設業情報管理センター(CIIC) | https://www.ciic.or.jp/ |
ワイズ公共データシステム(株) |
https://wise-pds.jp/ |
(株)ネットコア |
https://www.netcore.co.jp/bunsekicenter/ |
(株)経営状況分析センター |
https://mfac.co.jp/shinseihouhou/ |
申請の際は、各機関の指定様式に従い、必要書類を提出してください。
まとめ
建設業許可申請における経営状況分析は、財務の健全性を証明するための重要な審査です。評価基準となる負債比率や流動比率を適切に管理し、申請前に決算書の見直しを行うことが、許可取得の成功につながります。
特に、負債が多い場合や利益率が低い場合は、財務改善の対策を講じることが必要です。早めの準備と適切な経営管理を行い、建設業許可のスムーズな取得を目指しましょう。