栃木県宇都宮市の許認可専門 女性行政書士

行政書士あさみ法務事務所

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2025.05.16

経営事項審査(経審)にも影響?キャリアアップシステムの活用が評価に与える影響

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建設業における公共工事の受注や競争力の向上を目指す上で欠かせないのが「経営事項審査(経審)」です。そして近年、この経審に影響を与える要素として注目されているのが「建設キャリアアップシステム(CCUS)」です。国土交通省はCCUSの普及と連携を進めており、今後はCCUSの活用状況が経審の評価に直接影響する可能性が高まっています。

本記事では、建設キャリアアップシステムが経審にどう関係するのか、どのように評価に影響を及ぼすのかについて、行政書士の視点から詳しく解説いたします。制度の最新動向とともに、建設業者が今後とるべき対応についてもご紹介します。


経営事項審査(経審)とは

1. 経審の概要

経営事項審査とは、建設業者が公共工事を受注する際に必要となる客観的な評価制度です。都道府県や国の公共工事を請け負うためには、経審を受けて「総合評定値(P点)」を取得する必要があります。

この評定値は、以下の5つの項目に基づいて算出されます。

項目 内容
X1 経営規模(完成工事高)
X2 経営規模(自己資本・利益)
Y 経営状況(財務健全性)
Z 技術力(技術者数や工事経歴)
W その他の加点(法令順守、社会性など)

キャリアアップシステムは、この中の「Z:技術力」や「W:社会性評価」に影響を与えるとされています。


キャリアアップシステム(CCUS)とは

1. システムの概要と目的

建設キャリアアップシステムとは、建設業における技能者の就業履歴や保有資格を一元的に管理・見える化するための国主導の制度です。技能者はICカードを用いて現場での入退場を記録し、事業者はその情報をオンライン上で確認できます。

CCUSの目的は以下のとおりです。

  • 技能者の能力や経験を公平に評価

  • 処遇改善・人材育成の促進

  • 技能者不足への対応

  • 業界全体の生産性向上と信頼性確保

公共工事をはじめ、ゼネコンや元請業者からも登録が求められる場面が増えています。


経審で評価される“CCUS関連要素”とは

キャリアアップシステムが評価に関わるのは主に「Z(技術力)」と「W(社会性)」の項目です。

1. Z(技術力)への影響

Z点は、企業に在籍する技術者の保有資格や実務経験、技術者の雇用状況に基づいて点数化されます。ここにキャリアアップシステムが組み込まれることで、以下のような影響があります。

  • 登録された技能者がCCUSでレベル評価を受けていると、技術者の能力を客観的に証明できる

  • 技能者数を確実に証明できることで、技術力を“見える化”できる

  • 一級施工管理技士・登録基幹技能者などの上級者が多数登録されていれば、Z点アップに直結

2. W(社会性)への影響

W点は、社会的責任に関する取り組みの評価です。具体的には以下の項目が該当します。

  • 労働福祉の状況(社会保険加入、労働時間管理等)

  • 建設業法などの法令遵守

  • 建設キャリアアップシステムの導入状況【★注目】

  • 女性・高齢者の雇用状況、地域貢献活動 等

2024年現在、国土交通省はCCUS登録者数や活用状況を評価項目として明記しており、導入していない企業は相対的にW点で不利となる可能性があります。


点数に影響を与えるCCUSの具体的な活用内容

1. 技能者登録数

企業が登録している技能者の数が、そのまま「技術者数の証明」や「人材育成の評価」に結びつきます。以下のような状況が望ましいとされています。

  • 在籍技能者のうち半数以上がCCUS登録済み

  • 技能者レベル(初級〜マイスター)で一定以上の層を形成

  • 過去の就業履歴が蓄積され、経験が見える状態

2. 就業履歴の蓄積

ICカードを用いた現場での入退場管理により、技能者の“リアルな現場経験”が証明できます。これが技術者レベルの判断材料となり、経審評価にも反映されます。

  • 就業履歴がない=技術者とみなされないリスクあり

  • 適切な現場運用が、Z点・W点両方に寄与

3. 技能者のレベル判定制度との連携

CCUSの技能者には「レベル1〜4」までの評価が付与されます。これが将来的に「技術者の質」として扱われ、Z点の精度向上・差別化に繋がると見込まれています。


導入済み企業と未導入企業の評価の差

1. CCUS導入企業のメリット

項目 メリット
経審Z点 技能者登録数・資格が明確になり、評価点アップ
経審W点 社会性(育成・法令順守)の証明材料になる
入札加点 一部自治体で“CCUS活用”を加点項目として明記
元請受注 登録企業であることが発注条件になることも

2. 未導入企業のデメリット

  • 技術力を数値で証明できず、Z点で不利

  • 公共工事の評価項目に未対応

  • CCUS登録者を抱える他社との競争で不利

これらの差が拡大すれば、経審の点数次第で受注できる案件の範囲そのものが変わってくることになります。


今すぐできる!企業が準備すべきCCUS対策

1. 技能者の登録を進める

  • 在籍技能者の資格情報・本人確認書類を整理

  • 就業履歴が確認できるよう、過去の勤務記録を準備

  • 一括登録で事務コストを軽減(行政書士等に委託も可能)

2. 事業者登録と現場体制の整備

  • 事業者としての登録がないと技能者管理ができないため、事前登録が必要

  • 現場でのICカード読取環境や記録管理方法を整備

3. 専門家の活用でミスを防止

  • 書類不備、登録ミスが評価ダウンに直結

  • 専門知識が必要な申請業務は行政書士に依頼することで正確かつ迅速に進行可能

 


当事務所はキャリアアップシステム導入・経審対策への支援を行っております

行政書士あさみ法務事務所では、建設キャリアアップシステムと経審評価の連動に対応した支援を行っています。

サービス内容 内容
CCUS登録支援 事業者・技能者の登録から現場体制整備までワンストップ対応
経審申請サポート 評点アップを見据えた申請書作成とアドバイス
公共工事向け戦略支援 入札要件や自治体別評価項目に沿った書類整備

「何から始めればよいかわからない」「登録作業に人手が割けない」
そんなお悩みをお持ちの建設業者様は、ぜひお気軽にご相談ください。


まとめ

建設キャリアアップシステムの導入は、今や「現場運用の効率化」だけでなく、経営事項審査(経審)での高評価にもつながる、重要な経営戦略のひとつとなっています。

特に「Z点(技術力)」「W点(社会性)」への影響は大きく、未対応のままでは競争力が低下するリスクがあります。登録・運用の準備は早めに着手し、社内体制を整えておくことが、今後の公共工事受注や元請からの信頼確保に直結します。

建設キャリアアップシステムや経審申請についてお困りの方は、ぜひ行政書士あさみ法務事務所にご相談ください。
専門家の視点で、御社の競争力を高めるサポートをいたします。

  
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